果たしてトヨタC-HRにエコグライダーを装着する価値はあるのか
C-HRにエコグライダーを装着される方が多く見受けられます。
自動的にグライダー走行(滑空)に移行する画期的な商品であるため30系プリウス等中心に装着されている方が多く、以前からその存在は知っておりました。
巷では30系になってから”滑空”へ移行しにくいとの書き込みをチラホラ見かけますが、個人的には容易に”滑空”へ移行できたのでその必要性を感じませんでした。
一方で、50系になってからはメーカーが意図的?!に滑空できるポイントを狭めてしまったようで、滑空状態を維持するのが非常に困難になってしまいました。
50系の改良型THS2からハイブリッドトランスアクスルの効率が上がったことで”滑空”の意義は薄れましたが、減速エネルギーの回収を担う回生ブレーキの効率はまだまだです。
よって、コースティング走法による燃費向上はいまだ健在であり、空走(滑空擬き)による燃費向上は私の燃費が証明しています。
さて、エコグライダーには幾つか機能が付いています。
①スロットルコントローラー
②スポーツモード保持
③ブレーキオートホールド保持
④勝手にEV
⑤新滑空オートクルーズ
ざっと、こんなところでしょうか。
※実際に装着したわけではなく、あくまで個人的に使えるかどうかを書きますので、ご理解いただければと思います。
まずは①スロットルコントローラー。
通称スロコンと言われるものであり、最近の車は電子スロットルであるためアクセル開度を電気的に変えることができます。
C-HRに装備されているドライブモードもこれに当たりますね。
ただ、純正装備のはスポーツモードだとモーターのアシスト量を多くし、さらにはEPSの制御が入ってステアリング操作が重くなります。
エコグライダーには9つモードがあるようです。
しかし、ノーマルモードやエコモードは使う意味がないと思うので実際にはスポーツモードの3モードとなります。
エコグライダーが純正装備されるドライブモードの上乗せで制御しているのかどうか分かりませんが、②パワーオフ後の再始動時でもスポーツモードを保持するようです。
スポーツモードの切り替えはマルチインフォメーションディスプレイにて行うため、スポーツモードを保持するというのは良いですね。
基本、アクセルコントロールはエコモードのように緩慢だとし難いし、ピーキー過ぎてもし難い。
純正スポーツモードがちょうど良く、再始動時にスポーツモード状態を保持するということ以外メリットは無さそうです。
次に③ブレーキオートホールド保持。
ブレーキオートホールドはスイッチをONにすれば、停車中にブレーキペダルから足を離しても保持してくれる機能。
純正だとパワーオフでブレーキホールドのスイッチがOFFになってしまいますが、エコグライダーではONのままとなるようです。
オートホールド自体使ってないし今後も使う予定は全くないので、この装備が付随していても嬉しくもなんともありません。
④勝手にEV。
エコグライダーがEV走行可能な状況を判断してEVドライブモードスイッチをONにしてくれるようです。
C-HRにはEVドライブモードというものが装備されています。
条件をクリアしていればEV走行できるモードですね。
しかし、このEVドライブモードは下記ブログで書いた通り、燃費が悪くなるので全く使う気になりません。
なぜ、C-HRオーナーさんたちがこのモードを使いたがるのか理解に苦しみます。
EV走行するのはアクセルワークで簡単にできるものであり、EV走行したくない時に勝手にEV走行されるというのが困りものです。
考え方が真逆ですね。
最後に⑤新滑空オートクルーズ。
自動的に滑空モードへ移行してくれる優れもの。
最初に書いた通り非常に興味がありました。
しかし、以前みんカラでエコグライダー装着したC-HRが滑空状態で走行していると言う動画を見ましたが、どう見ても単なるEV走行にしか見えずハッタリだと思いました。
それに、”滑空”の使い方を全く理解していない感じがします。
基本、”滑空”では巡航できないので緩やかな下りを速度維持して走行したり、信号停止で回生させないよう速度調整したりするためのものです。
速度維持できない”滑空”を高速やバイパス等で使うのはナンセンスなんです。
エコグライダーがどのように制御しているのかよく分からず単なるEV走行と思った訳ですね。
そんなとき、とあるオーナーさんが前車のプリウスでエコグライダーを装着されており、新滑空オートクルーズの使い方について書かれておりました。
どうやら、速度を2つ設定(90km/h、95km/h等)し、速度が下限(90km/h)に落ちたら上限(95km/h)まで加速させるという制御らしいです。
”滑空”及びエンジン稼働を繰り返しながら走行するという、所謂「つなぎエンジン」の延長のようです。
「つなぎエンジン」は信号の多い市街地では有効なものの、基本はバッテリーが不足気味の時に行う苦肉の策であり、燃費が劇的に向上するような運転方法ではありません。
純ガソリン車でもアクセルオンオフを繰り返すと燃費が悪化するように、高速やバイパス等巡航する場面において頻繁に使うのは愚の骨頂です。
このオーナーさんも実際に検証して燃費が良くならなかったため、高速では新滑空オートクルーズの使用を止めたそうです。
一方、市街地での使用についてですが、”滑空”を使う場面というのは先にも書いた通り信号停止前の速度調整。
でも新滑空オートクルーズは所詮クルーズコントロールなのでコースティングに使うのは不向きです。
ということで、個人的に欲しいと思える機能は②スポーツモード保持だけでした。
これだけのために購入することはあり得ませんね。
上記で挙げた機能とは別に⑥EV走行比率というのがモニターで分かるようです。
この比率の分母が距離なのか時間なのか定かではありませんが、時間だとしたら信号停止時間が長ければEV比率は上がってしまうし、距離だった場合でも停車中のアイドリングチェックや強制充電は加味されないので参考程度の数値です。
気温による変化、エアコンやヒーター使用による変化等、個別で比較するぐらいでしょうか。
ハイブリッドの走らせ方は基本エンジン1に対してモーターが2です。
よって標準的なエンジン稼働率は30~35%ぐらいです。
燃費はC-HRの場合だと25km/Lぐらいでしょうか。
自分の走行状態では30%ぐらいだと思っていましたが、その方のデータを参考にして色々計算してみると25%以下になってしまいます。
一番良かったとき(38.3km/L)で計算するとエンジン稼働率は20%になってしまい通常では考えられない数字ですが、エンジン1、モーター2、滑空2であれば可能な数字です。
以前、燃費チャレンジで55km/Lだった時のエンジン稼働率を計算すると14%になります。
思い返すとそれぐらいの数字になっても不思議じゃない気はするけれど、実際走った道で登り区間をすべてエンジン走行したとすると稼働率は33%ですが、その区間をすべてエンジン走行はしていないので下記のように計算してみます。
2,300m地点の1,500m走行の内の500m+3,000m地点の400m+4,800m地点の400mの内の200mをエンジン稼働と考えれば15.5%になります。
けど、最後の2,300mすべてモーター走行できるはずもないので、やはりエンジン稼働率は20%ぐらいかなと思います。
そうなるとエンジン稼働時の燃費が想定よりも良いということになりますね。
エンジン稼働しているときの燃費が分かればEV比率は簡単に出せるのですが、ハイブリッドの場合はこれが難しいです。
ハイブリッドの場合、巡航以降はモーター及び滑空になるので、単純にエンジン単体燃費20km/Lという数字を当てはめれないのです。
加速時のみエンジン稼働と限定すれば/3で出せそうな気もしますが、やはり計算は難しいですね。
①現在の燃費が20km/L以下であれば多少効果あり。
②25km/L前後走れるなら取り付ける意味なし。
燃費のためにエコグライダーを付けようと思っている方々の参考になるか分かりませんが、個人的にはそのように思いました。